理学療法士だったヒーラーの日記 私のAtoZ

理学療法士だった頃の記事を残しています

腰痛を防ぐ力を入れない介助術の勉強会をしてみた

理学療法士(PT)のカフェオレオまたの名YUDAです。

タイトルにある通り職場で勉強会を開いたので

久しぶりにサブブログ化したこちらの記事を書こうと思います。

書くまでモチベが復活したきっかけですが、

理学療法士として働いて、介助のやり方を話すことで、

セラピスト達が感じていることや解決していない小さな違和感を

言語化することに価値が生まれた会とのことでした。

メインの記事を書く気もないので、

勉強会で話したことをアウトプットしてみます。

この記事を書く目的

・自分と利用者の力や能力を引き出し方を学ぶ

・腰痛の常識や介護の常識に疑問を持てる視点を獲得する

前者はセラピストなので引き出すとか阻害しないとか
そのような考えを受け入れてくれる人が多数でしょうが、

2つをあえてあげるのは普通に理学療法士として生きて
常識に疑問を持たない、疑問を生まない固定化ないし
狭窄した視野が問題だと考えているからです。

当たり前に考えたらわかるのですが、

仕事で怪我をしたら因果関係がどうのでごまかすのは

職場の監督不行き届きですし、

自分に手に負えない仕事をお客様のためで済ますのは

やりがい搾取とも言えます。

医療関係以外の仕事の人にはこのような話は通じますが、

医療・介護の業界においては

腰痛になることを当たり前としたり、
患者さんに悪いからと自分の身体に無茶をさせるなど

ブラックな文化や価値観が根付いてる所もありました。

一歩俯瞰すればおかしいとか異常さに気づけますが、

その一歩に常識を認識して、事実と異なる部分に疑問を持つ

このような視点がないと

搾取と酷使で消耗するばかりのため

2つ目を入れています

 

そもそも介護の常識って?

これは腰痛予防においては、

ボディメカニクスに基づいた
負荷量の軽減が該当します。

重心を低くしましょう・近づけましょう
大きい筋肉を使いましょう、腰を捻じらないようにしましょう
てこの原理を使いましょう、平行移動を心がけましょう

等々介護士の方も学んでいるみたいですが、

正直これを意識したところで腰痛が減っているのか

事実を見てほしいですし、なぜこれを守るのかが疑問です。

 

PTがいいがちな意見という名の妄想は

コアマッスルを鍛えれば腰痛が消えるだの

ボディメカニクスを守れば大丈夫だの

言われたことを守れないのは甘えだの

安直な思考しかできない

体育会系のバカばかりでうんざりしていました。

 

これは事実を無視した直感的ないし感情的な認知に基づく

偏見と意見の押しつけであって

そこには知性や論理性が一切感じられないです。

 

実際医療・介護の現場を見ていればわかるのですが、

明らかに非自然的な重量物の運搬量による

筋力や物理の限界を無視したり、

逆に女性や高齢職員が腰痛がなく、

趣味が筋トレないし男性が腰痛になる状況を

コアマッスル以外は何かで答えられる人間は少数でした。

(これ以外の答えがまさに上記の言われた事を守らないという暴論)

 

妄想で欠けていた視点

では自分は何て答えるのかというと

一つは利用者の反応や動きを無視した独りよがりの介護

もう一つは合理性とマニュアルで阻害された自然な身体操作の消失

が考えられます。

 

この答えを解説する前に

そもそも多くのPTが医療とは思いやりがどうのこうの言いながら

介護や補助場面では相手を機械や物のようにみて、

どうすれば相手を軽く起こせる・持ち上げられるかばかり

考えているような印象・雰囲気です。

死体、植物状態でもない限り利用者は反応がありますし

動きがあるものですが、それを無視してでも操作したがる様子です。

 

ですがよくよく考えてほしいのが、

サービス業の時点で自分がいるだけでなく、

相手がいるという面をあまりにも無視しているとも言えます。

実際に遅いとか待てないとか言う声も聴きましたが、

そもそも待つ気がない、反応を見る気もない人間が

速さ遅さ、効率・効果を語るなよって言いたくります。

 

機械や物のように扱って合理的に指導してハイ終わり

これだから自分の負担が変わらないから腰痛になって

利用者も物という固定されることで能力を引き出せない

負のスパイラルが起こるわけとなります。

 

アライメントについて

そもそもなぜ腰痛になるのかを考えると、

筋肉への過負荷

椎間板への衝撃過多

などがあげられます。

多くの指導では腰を丸めないように介助しましょうでいいのでしょうが、

そもそも脊柱がズレているという可能性もあります。

所詮論文にサブラクセーションがないからと決めつけられて

思考停止する理学療法士にはわからないでしょうが、

人が機能的に動かしやすい脊柱のポジションは静止時にもあります。

動かしやすさという個人差があるものを、

医療的な一般化をしようとするのがおかしな話なのです。

普段から腰を丸めない事も大事でしょうが、

勉強会ではそもそも背骨がズレていて機能的筋力が発揮できなければ

床反力の影響で脊柱起立筋や椎間板に余計な負担があるかもしれない

ということを伝えてました。

 

介護の当たり前のやり方を斬った話

移乗介護でありがちなのが

足場を固定する
掴んでしまう
持ち上げる

の3点を意識するように教える人が多いですが、

腰痛予防や利用者の機能を引き上げる

ことを考えたらこれは害のある介護とも言えます。

一つ目が足場を固定する、しっかり踏み込むことですが、

逆説的に下半身の自由を奪うことになり、

体幹の運動量が増えることで、腰椎や腰部の筋への負担が増えています。

これは論文で何%とかそういう話や根拠を出す必要もなく、

そもそも算数と論理的思考ができたら、

下半身が動かないなら別の所が動くことが考えられ、

身体で最も四頭筋の次に筋量の発揮を求められる所を考えたら

辿り着く結論になります。

2つ目ですが、歩行介助でもPTがやりがちなのですが、

ズボンを掴んだり、服を掴んであげたりするなど、

利用者も不自然な刺激が入って不快かつ制御が入りますし、

セラピストも掴むことで上肢と体幹共にロックすることで、

運動方向や誘導方向に制限が加わります。

実践したらわかるでしょうが、下手に掴むよりも、

引っ掛けたり、指先で握らず腕で支える方が負担も少ないです。

最後の持ち上げるはノーリフト協会というのもあるぐらいなので、

持ち上げるのは良くないという空気がありますが、

勉強会ではそもそも持ち上げられる時のベクトルなどは

バイオメカニクス的に存在しない立ちあがり方だし、

そもそも効率手な上方向の力は余程の身長差がないと非効率なのでは?

というような事を話していました。

 

このように仕方がない、当たり前、皆やっている

という思考停止に対して物申す内容を発信しました。

 

今回の勉強会で本当は伝えたかった事

冒頭で書いたように

自分たちがやった方がいい事

悪いと思っているけどなぜかわからない事

言語化することが今回のセミナーの価値だと

意見を頂きました。

 

ですが介護士さんからもアドバンスの依頼をもらうが、

今回のような視点や試行錯誤前提の

原理原則のシェアの内容だと

今現在困っている人に教えられないと意見もありました。

 

これ具体性やわかりやすいマニュアルを教えてないから

ごもっともな意見に聞こえるかもしれませんが、

そもそも基礎的なやり方を習得しているのが

資格を持った介護士さんでしょうし、

どの職場でも新人研修などでやり方は学んでいるはずです。

 

それなのに腰痛を引き起こしたり、

過介護にならないようにしたいけどついやりすぎる

という問題が起こしているのはなぜか?

という視点がそもそもあったかです。

 

理学療法士だから自分たちが知らない術を持っている

先輩だから特別なテクニックが存在している

 

そんなのは漫画やドラマの中の幻想であって、

自分たちの答えは自分たちで身に着けるしかないのです。

 

だからここにあるように

偉い人の引用元や名前何て一切出していませんし、

他人の解釈に迎合してあなた達も俺の意見に従え

というような文章を出していないです。

 

自分たちが持っている方法と常識

そこに何が多かったのか?

何を引けばよかったのか?

 

それが今回の勉強会であり、

言語化するということは

感覚でやり取りが多い臨床に、

負荷さえ減れば腰痛がなくなるという常識を引いた

勉強会になったということになります。