今日はリハビリに関する本を紹介しようと思います。
個人的に思うのは、整体や体操などの本がよく書かれている中、
あたまから最後までリハビリそのものから制度について書いてある本が中々見なかったので、たぶん多くのコメディカルの方も気になってくれると思ったので紹介します。
本日紹介するのは『あなたのリハビリは間違っていませんか』です。
この本は本当に患者の求めるリハビリから、制度・体制の問題について書かれています。
厚い本ではないのでそこまで深く書かれていませんが、この本を読んだ機会により、
何か考えることが生まれると思います。
その参考例を私のレビューとして載せてみようと思います。
第1章の感想 患者に必要なリハビリを間違えていた
私はデイサービスに勤めてからそんなことなくなりましたが、
多くのセラピストはリハビリ=筋トレ・ROM
ばかり思ってる人がいると思います。
またADL=歩くこと
とだけ考え歩かせてばかりで、
排泄・入浴・社会参加に関するリハビリを疎かにしている印象を持っています。
本書の資料には患者がリハビリを継続理由が排泄や家事などの動作ができるようになりたいと思うのに限らず、そのようなリハビリをしている施設は少ないというデーターでした。
本書には嚥下の重要性も書いていますが、私はSTではない、かつ通所施設で嚥下能力が高い方が多いためあまり勉強していませんが、病院のセラピストはSTと一緒に嚥下にも注目するべきなのではと思いました。
療法士の夜間介入についても書かれており、老健や特養など療法士は病院の療法士の活躍で夜勤が認められるかもしれません。そうなると爆発的に増えている療法士の働き口が増えることになるかもしれません。
第2章の感想 ここがおかしかったリハビリ提供体制
さらっと書くと、
一日と週、さらに診断後の日数に単位数制限がある
意味のないもむだけのマッサージにも単位が発生する
単位が取れないという理由で空き枠があるのに20分以上のリハビリを非難する上司や経営者
算定日数上限を超えてからよくなるケースが調査で認められている
です。ここら辺は特に若い人は考えて欲しいですね。将来療法士業界を変える人がでてくるかもしれないので。
第3章の感想 医療提供体制の問題点はなんだったのか
元々クリニックにいたため、医療保険には知識がありましたが、
本書では病院の問題が多く挙げられていました。
ちなみに寝たきり大国日本はいつになったらこの問題を解消や緩解できるのだろうと私は思います。
そのためにも長いこと入院すればよいと思う患者やその家族が減ることがまず大事だなと本書を見て思いました。
第4章の感想 医療提供体制改革の壮大さ
私の感想ですが、これ個人が何とかできるレベルなのかと思いました。
社会心理学を学んでいますが、もう個人がどうこう述べるよりも、
トップがマスメディアを使い集団の意識変革を起こさないと、2025年私たちもっと悲惨な末路になると思いますね。
もっとも保険頼りの給料や賃金をあてにしている場合ですけど。
第5章の感想 個人的に問題だと同意できた点について
必要なのは儲け主義病院の撤退を促進させる=効果の出せないリハビリをする病院を減らす、長期的な入院をやめさせる、単位のために無理やりもしくはマッサージだけのリハビリを廃止ないし単位を認めないことです。
また、デイに勤めていると、認知症や癌のリハについても本書に書いてあるため、考えさせられました。
最後に
介護・福祉よりも病院の療法士のためになりそうな本でした。
しかし、このような本は介護・福祉関連でも似たような本は出て欲しいと思いました。
この本を読むと、いかに日本のリハビリは大きな問題を抱えているのか改めて知ることになりました。医療保険やリハビリの提供体制の仕組みや構成が悪かったと言えばそれまでですが、何より大事なのは療法士と患者の教育が必要だと思います。
個人で頑張る、自分で何とかしろというのはナンセンスです。
社会や政府は個人でできていません。まして個人の集まりでもありません。
人が多くいて共通の規範と認識があるから組織や社会そして統治する人間がいるから政府があるのです。
個人でできるのは本書に書いてある問題をどうしたら改善できるか、啓発することです。
私の場合、行動して、結果を出して人を導く方法があってるので、誰かにやってくれと言って行動してもらうのは苦手ですが、
この記事を読んで、問題点に真摯に向き合える療法士が一人でも増えたらいいなと思います。